カニサレスのファリャ

公演の見どころ

カニサレスの演奏するファリャは、とても特別です。現代の数多くのファリャの楽曲の演奏家のどの演奏とも異なります。それはカニサレスが本来フラメンコ・ギタリストであり、ファリャが愛し、大きな影響を受けて楽譜の中に閉じ込めたフラメンコのエッセンスを、ひとつ残らず日の光に当てることができるからです。

1922年に詩人ガルシア・ロルカと共に史上初のカンテ・ホンド(フラメンコの深い唄)のコンクールを開催するほど、ファリャはフラメンコを知り尽くし、この深い音楽に傾倒していました。今から100年前にファリャが楽譜の中に書き綴ったそのリズムやメロディーからは、当時のフラメンコがどのようなものだったかをうかがい知ることができる、とカニサレスは語ります。そして、楽譜の中に長い間眠っていたそのフラメンコの魂に口づけをして、その眠りから呼び覚ますのが、自分に課せられた使命だと感じています。

この、カニサレスのファリャの公演では、カニサレスのアレンジにより、カホンやパルマ(手拍子)、カスタネットなどの打楽器が多用されています。それは、ファリャの音楽の美しさを邪魔することなく、ファリャが意図したであろうリズムラインを明確に浮かび上がらせる粋な計らいです。

第2部では、カニサレスは自身の作曲したフラメンコの楽曲を披露します。これにより、100年前のファリャの時代のフラメンコと、現代のフラメンコの対比をお楽しみいただくことができます。楽曲は主に、カニサレスのアルバム『魂のストリング』からの抜粋です。人が誰しも心の中にもつ琴線をカニサレスが彼の音楽で奏で、語りかけていきます。

カニサレス・ギタリスト・作曲家
© Amancio Guillén

出演

カニサレス: ギター

フアン・カルロス・ゴメス:

セカンドギター

チャロ・エスピノ:

踊り、カスタネット、パルマ(手拍子)

アンヘル・ムニョス:

踊り、カホン、パルマ(手拍子)

音楽監督: カニサレス

音楽: カニサレス

振付:

チャロ・エスピノ、アンヘル・ムニョス

制作:

JMC Music Productions

世界初演:2013年11月23日 マヌエル・デ・ファリャ音楽堂

(スペイン、グラナダ)

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© Amancio Guillén

プログラム

第1部(45分)

『7つのスペイン民謡』より

1. ナナ(子守唄)

2. カンシオン(唄)

3. ムーア人の織物

4. ムルシア風セギディージャ

5. ホタ(舞曲)

『恋は魔術師』より

6. 火祭りの踊り

7. パントマイム

8. 情景

9. きつね火の踊り

『三角帽子』より

10. 隣人の踊り

11. 粉屋の踊り

『はかなき人生』より

12. 第1スペイン舞曲

第2部(45分)

1. 時への憧れ (ギターソロ)

2. 深淵 (ブレリアス)

3. 彗星の雨 (ルンバ)

4. カリブ海 (グアヒーラ)

5. 悠久 (バラード)

6. 真珠の首飾り (アレグリアス)

7. 魂のストリング (ルンバ)

© Amancio Guillén

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