ギター編曲によるファリャ３部作の、第２作目となるこのアルバムには、『はかなき人生』から２つの舞曲と、ピアノの為に書かれた作品を選曲しました。

ファリャの残した数多くの作品の中で、『はかなき人生』は、私にとって特別な作品のひとつです。これまでに幾度か、オーケストラと共演する形で、この作品を生演奏する幸運に恵まれたからです。舞台上でオーケストラの壮大な音に包まれることによって、この作品の雄大さを感じ、同時に作品の随所にちりばめられた繊細さを目の当たりにすることが出来たからです。こうした経験は、この作品を分析するにあたり、作品の中に通る大きな一筋の道を追いつつも、細かな表現まで見落とさずに、それを出来るだけ忠実な方法で編曲する為にとても役立ちました。

今年は、『はかなき人生』がフランスのニースで初演されてから、ちょうど１００年目にあたります。この記念すべき年に、この作品の私なりの解釈を、巨匠マヌエル・デ・ファリャが遺した作品を愛する沢山の方々と共有出来ることを、とても嬉しく思います。

２０１３年１１月

フアン・マヌエル・カニサレス