『カニサレスのグラナドス３部作』の第３集には、グラナドスの最高傑作と言われる『ゴイェスカス』が収められています。２０１１年に発表し、スペインの音楽賞を受賞。当時の王立劇場芸術監督、ギェラール・モルティエ氏が「カニサレスの歴史的大作」と絶賛したアルバムをリマスタリングし、さらに重厚かつクリアーなギターサウンドをお届けします。

カニサレスが成し遂げた『ゴイェスカス』の編曲とレコーディングは、歴史に名を残す偉業です。作曲から１００周年という年に、満を持して発表されたこのカニサレスのギター編曲は、これまでに誰も予想出来なかった新しい解釈という側面を持ち、カニサレスはスペイン音楽の大使というに相応しい最高のパフォーマンスを魅せてくれます。

カニサレスの非常に高度なテクニックは、我々に新しい音楽の世界を覗かせてくれます。パレットいっぱいに広がる豊かな音色やリズムと共に、素晴らしい『ゴイェスカス』の情景が広がります。

全ての瞬間において、奏でられる音のニュアンスやギターの音色、魂から紡ぎ出される音楽を通じて、我々を未知の世界へ導いてくれる彼の絶妙さに驚きを隠すことはできません。

カニサレスに初めて出会ったときから、常に私の予想を遥かに超える、彼の音楽的内面性と繊細さに魅了されてきました。彼を私なりに一言で表現するなら、カニサレスは『ギターの詩人』といえましょう。そして、このレコーディングはその証明にほかならないのです。

ジェラール・モルティエ

王立劇場芸術監督

２０１１年９月