公演の見どころ
カニサレスの新しいフラメンコ・クインテットの公演は、彼の新作のフラメンコ・アルバム『洞窟の神話』からの楽曲をメインに、カニサレスの音楽の世界を深く堪能できるプログラムです。
プラトンの説話からつけられたタイトル『洞窟の神話』は、カニサレスがフラメンコの音楽を作曲する時に感じる気持ちや姿勢に非常によく似ているといいます。カニサレスは、自分の中には音楽的な2つの柱が存在しているといいます。ひとつはフラメンコの伝統という柱、そしてもうひとつは楽典を学ぶことによって身につけられる音楽的な知識です。
フラメンコの伝統は彼にとって、プラトンの比喩でいう洞窟の中の影のような存在でした。その柔らかな光と、神秘的な音は、伝統という河を流れてカニサレスのもとにたどり着きました。それは、豊かで深い表現を備えた言語であり、彼にとってかけがえのないインスピレーションの源となりました。フラメンコの音楽を始めてから数年後に、音楽院で音楽の基礎を学ぶことによって、先の比喩でいう太陽の光の言語を手に入れることができました。この新たな音楽的教養を身につけることにより、新しい音楽の世界を旅することができるようになりました。これまでに編曲し演奏してきた、アルベニス、ファリャ、グラナドスやスカルラッティの作品から得た経験が、彼の音楽的な視野を広げてくれたことは言うまでもありません。
このクインテットの公演では、新たにカンタオール(歌い手)を迎え、フラメンコの基本である3要素(歌、踊、ギター)が全て揃い、フラメンコの真髄をお楽しみいただけます。
出演
カニサレス: ギター
フアン・カルロス・ゴメス: セカンドギター
ほセ・アンヘル・カルモナ: カンテ(歌)、マンドラ(弦楽器)
チャロ・エスピノ: 踊り、カスタネット、パルマ(手拍子)
アンヘル・ムニョス: 踊り、カホン、パルマ(手拍子)
音楽監督: カニサレス
音楽: カニサレス
振付: チャロ・エスピノ、アンヘル・ムニョス
制作: JMC Music Productions
世界初演2018年9月16日・いわきアリオスホール
プログラム
第1部 (45分)
- 時への憧れ (ギターソロ)
- 静寂な月 (ティエントス)
- 小さな松の森 (ガロティン)
- 雪の砂漠 (フラメンコ風ハバネラ)
- 悠久 (バラード)
- 真珠の首飾り (アレグリアス)
- アルペジオの架ける橋 (タンゴス)
- 魂のストリング (ルンバ)
第2部 (45分)
- 魂の楽園 (ブレリアス)
- 彗星の雨 (ルンバ)
- カリブ海 (グアヒーラ)
- 感受… (ルンバのための前奏曲)
- … 幻想 (ルンバ)
- 妖艶な美 (ソレア・ポル・ブレリアス)
- 鳩 (ワルツ)