カニサレス『アル・アンダルス協奏曲』ロベルト・フォレス指揮、エクストレマドゥーラ交響楽団と演奏
3月8日、9日の2日間、カニサレスは自身が作曲した『アル・アンダルス協奏曲』をエクストレマドゥーラ交響楽団と演奏します。指揮は、2013年に日本でも共演経験のある、ロベルト・フォレス氏。日本での共演時には、鈴木大介氏、大萩康司氏、荘村清志氏とともに、ロドリーゴの4本のギターのための『アンダルス協奏曲』を演奏しました。
エクストレマドゥーラ交響楽団との公演は、バダホス・コングレスセンター【3月8日(金)20時半開演】、カセレス・ゴングレスセンター【3月9日(土)20時半開演】が予定されています。
2014年、師匠であり、親友であったパコ・デ・ルシアの突然の訃報は、カニサレスにとって途方もない衝撃でした。その喪失感の中からカニサレスが渾身の力を振り絞って書き上げたのが、この『アル・アンダルス協奏曲』です。ギターとオーケストラのための協奏曲でありながら、カニサレスとパコ・デ・ルシアのルーツであるフラメンコ的な雰囲気があちこちに散りばめられ、ふたりの音楽のルーツをモチーフとして大切に扱っている作品です。
カニサレスがこれまでに応えてきた数々のインタビューの中で「パコの訃報を知った時から私の中で癒えることのない心の痛みをそのまま音楽で表現しています」と語っているように、特に第2楽章の葬列のメロディーや、第3楽章で垣間見せるパコの楽曲の粋なアレンジは、聴く者の心に直接語りかけてきます。
この協奏曲は、2016年にスペイン国立管弦楽団の委嘱作曲により、カニサレスが作曲し、ジョセップ・ポンス氏の指揮のもと、カニサレス本人がソリストとして世界初演した楽曲で、これまでにスペイン内外で数多く再演されてきました。
こちらで、エクストレマドゥーラ交響楽団とのリハーサル風景をお聴き頂けます。動画は、『アル・アンダルス協奏曲』の第3楽章より。