コルドバ・ギターフェスティバル
ロドリーゴ没後20周年に捧げる『アランフェス協奏曲』とカニサレスの『地中海協奏曲』
コルドバ・ギターフェスティバルのポスター
今年で39回目を迎える、コルドバ・ギターフェスティバル。
ここ数年は、毎年カニサレスも出演させていただいております。今年は『アランフェス協奏曲』を作曲した、ホアキン・ロドリーゴ氏の没後20周年を記念して、命日にあたる7月6日に特別公演が開催されました。
写真:オーケストラとのリハーサルの様子
© Mariko Ogura
この特別公演のプログラムには、クラシック界からホセ・マリア・ガジャルド・デル・レイ氏が、フラメンコ界からはカニサレスが抜擢され、2人のソリストで合計4つの協奏曲を演奏するという豪華プログラムとなりました。
ガジャルド氏は、村治佳織さんの師匠でもある、世界トップクラスのクラシックギタリストであり、作曲家でもあります。
公演では、カニサレスが『アランフェス協奏曲』とカニサレスが作曲したロドリーゴに捧げる『地中海協奏曲』を、ガジャルド氏がロドリーゴの『ある貴紳のための幻想曲』と、ガジャルド氏が作曲したロドリーゴに捧げる『アランフェスのダイアモンド』をそれぞれ演奏します。
写真:コルドバのオーケストラとのリハーサル
© Mariko Ogura
通常のオーケストラの公演では、ソリストが演奏する曲は1曲ですが、今回は4曲全てにソリストがいるため、リハーサルも長期にわたります。カニサレスもフェスティバルの開幕前から現地入りし、指揮者のカルロス・ドミンゲス・ニエト氏とコルドバのオーケストラとのリハーサルを重ねました。
写真:公演の様子
© Mariko Ogura
今回の会場となったのは、世界遺産でもあるコルドバのメスキータの「オレンジの中庭」。ライトアップされたこの歴史的建造物は、神秘的でとても美しく、心に染み入る音楽と相まって最高の体験でした。
写真:4協奏曲の演奏後に、アンコールに応えるガジャルド氏とカニサレス
© Mariko Ogura
4つの協奏曲を終えた後、ガジャルド氏とカニサレス、そしてパーカッショニストのロベルト・ボスメディアーノ氏がトリオでアンコールに応えました。このメンバーは2005年の愛知万博の際に日本公演を行ったり、ロンドンやNYのカーネギーホールでも共演した旧知の仲。約15年ぶりの共演となりましたが、息はピッタリと合っていて見事でした。
写真:公演後に、セシリア・レオン・ロドリーゴさんとそのご主人と記念撮影
© Mariko Ogura
ロドリーゴ氏の20回目の命日となった7月6日は、世界中でたくさんのオマージュ公演が開催され、偉大な作曲家を偲びました。今回のコルドバでの公演には、ロドリーゴ氏のお孫さんにあたる、セシリア・レオン・ロドリーゴさんがご主人と一緒にわざわざマドリードから公演に駆けつけてくださり、4つの協奏曲に大変感動されていました。
写真:地元の新聞に掲載されたニュース
ロドリーゴに捧げる公演の様子や、『カニサレスのロドリーゴ』の新譜発表の記者会見の様子も地元の新聞で写真入りで大きく紹介していただき、ロドリーゴ一色のフェスティバルとなりました。
写真:カニサレスのマスタークラス
© Mariko Ogura
そして、毎年このフェスティバルに欠かせないのが、カニサレスのフラメンコギターのマスタークラス。毎年大人気の講座で、毎年受講してくださる練習生もいます。今年は世界各地から27人が集結し、3日間のハードなレッスンをこなしていました。
そんな盛りだくさんの内容だった今年のコルドバ・ギターフェスティバル。その様子を1分間のドキュメンタリーにまとめました。BGMはカニサレスの『妖艶な美』です。
【旅の思い出・コルドバ・ギターフェスティバル編】
音楽:妖艶な美
♪ Extraña Belleza